電気自動車(EV)「リーフ」を発表したばかりの日産自動車が出展を見送り、EVの主役は米Tesla Motors社の「ModelS」であった。プラグインハイブリッド車(PHEV)の主役は発売直後の米GM社「Chevrolet Volt」であった。デトロイトモーターショー(North American International Auto Show)の会場にいると、クルマの電動化で米国がトップを走っている錯覚を覚える(図)。

図 「デトロイトショー」の会場
パリ、ジュネーブ、フランクフルト、東京などに比べると狭めのホールだ。

 米Ford Motor社は1月、「デトロイトショー」の直前にラスベガスで開かれた「2011 International CES」で、2011年後半に発売する予定のEV(電気自動車)「Focus Electric」を披露した。Ford社はEVを発表する場として「デトロイトショー」でなく家電の展示会である「CES」を選んだわけだ。約1週間ずれているための“日程のイタズラ”かもしれないが、「クルマでも家電でもある」EVの性格を浮き彫りにした事件であった。デトロイトショーもEV、HEV中心で始まった。相変わらず出展を見合わせる日本メーカーが多い中、韓国勢の躍進が目立つショーでもあった。

以下、『日経Automotive Technology』2011年3月号に掲載