トヨタ自動車はレクサスブランドのハイブリッド専用車「CT200h」を発売した。レクサスとしては最小のモデルで、ブランド初の5ドアハッチバック車。ドイツBMW社の「1シリーズ」、ドイツAudi社の「A3」などを競合車種として想定する。

 CT200hは、ベースとなるプラットフォームは「プリウス」「オーリス」「レクサスHS250h」などと共通の「新MC」。ハイブリッドシステムも、エンジンは排気量1.8L・直列4気筒の「2ZR-FXE」で、最高出力73kW/5200rpm、最大トルク142N・m/4000rpm、駆動モータの最高出力は60kW、最大トルク207N・mと、プリウスとスペックまで共通。Ni-MH(ニッケル・水素)2次電池パックもプリウスと共用する(図)。
 車体寸法はプリウスの全長4460×全幅1745×全高1490mm、ホイールベース2700mmに対して、CT200hは同4320×1765×1450mm、ホイールベース2600mmと一回り小さい。しかし、車体質量は、静粛性向上のための遮音材の追加や、車体剛性向上のための補強、ナビゲーションシステムの標準装備などで、ベースモデル同士の比較ではプリウスの1310kgに対してCT200hは1380kgと70kgも重い。このため、10・15モード燃費は、やはりベースモデル同士の比較でプリウスの38km/Lに対してCT200hは34km/Lにとどまる。
 ただし、状況によってはCTのほうが燃費の良い場面もあるとトヨタは言う。例えば冬季の実用燃費はCT200hがプリウスを上回るとしている。その理由は、CT200hが前席にシートヒータを標準装備すること。

以下、『日経Automotive Technology』2011年3月号に掲載
図 ハイブリッドシステムのレイアウト
エンジン、モータ、2次電池などの主要構成部品はプリウスと同じ。2次電池もプリウスと同じく荷室下に搭載する(写真は米国仕様車)。