トヨタ自動車は、小型車「ヴィッツ」を全面改良して発売した。1999年の初代発売以来、今回で3代目となる。主要市場の欧州、日本での競争力を高めるため、荷室を広げるとともに、軽量化およびパワートレーンの改良で燃費を向上させた。

 新型ヴィッツは排気量1.0L、1.3L、1.5Lの3種類のエンジンを用意し、全車CVT(無段変速機)と組み合わせる(1.5Lには手動変速機もある)。先代のプラットフォームを流用しつつ、後部の床板を刷新することでホイールベースを50mm伸ばし、全長は100mm長い3885mmにした。
 全長4mクラスの車が多い欧州のBセグメントで求められたのが荷室容量の拡大。ホイールベースが伸びた分を使うとともに、バックドアのロック機構を小さくする、後席背もたれを薄くするといったことで、荷室長を先代より145mm伸ばした。
 全長が伸びたうち、ホイールべース以外では、前部のオーバーハングを35mm、後部のオーバーハングを15mm増やした。前部を伸ばしたのは、奥行きのあるヘッドランプなど存在感のあるデザインを実現するため。
 内装では初代、2代目と踏襲してきたセンターメータを通常のメータに変えた。上級車からの乗り替えが増えており、そうしたユーザーが違和感を持たないようにすることが目的だ(図)。

以下、『日経Automotive Technology』2011年3月号に掲載
図 伝統のセンターメータを廃止
従来は半円形のセンターメータだったが、上級車からの乗り替えを意識して通常の配置に変更。