本連載ではこれまで、3次元CADの効果的な運用を行うための改善ポイントや、製品視点からの改善としての標準化、モジュール化について紹介してきた。今回と次回の2回では、「不具合の未然防止」を目的とした仕組み構築のポイントについて解説する。
まず、筆者らが提唱する3次元開発プロセス構築のための方法論である「3D-DPRM」における不具合の未然防止の位置付けについて説明する。3D-DPRMでは、3次元設計をベースとした開発プロセス構築に向けた取り組みをAからHまでの8グループに分類し、それぞれに属する活動テーマを確実に定着させていく(表)。
具体的には、3次元CADの導入(グループA)から始まり、3次元形状の構築方法や運用ルールの定着(同B)によって3次元設計の強固な基盤づくりを目指す。それが終わると、3次元CADを使って効率的な開発業務ができるよう、3次元設計手法を定着させるための抜本的な見直し(同C)を行って、3次元設計の効率向上と活用の拡大を図り(同D)、効果を刈り取れる(同E)ように取り組みを進めていく。
〔以下、日経ものづくり2011年2月号に掲載〕
O2 技術ディビジョン シニアコンサルタント
O2(http://www.o2o2.co.jp/)は、設計開発領域を専門とするプロ集団。業務プロセス改革から高度な技術課題解決までを総合支援。3D-DPRMなど独自の方法論を提唱し続ける。