【強さの秘密】金属パイプを金型プレスで成形加工し、エンジンや排気系周りの自動車部品を造る。ベンディングマシンを使わず、曲げや潰し、拡管/縮管などの技術を組み合わせた工法と専用設備の開発力で、同業他社に比べて高いコスト競争力を誇る。

 主に自動車部品を手掛ける國本工業は、複数の金型を使ったトランスファプレスによる金属パイプ加工(パイプフォーミング)を得意としている。技術の中核である曲げ加工に加え、潰しやせん断、拡管/縮管、増肉といった工程を組み合わせた工法と、それを生かした設備の開発力が身上だ。特にロット数の多い受注品については、複数の設備で構成するパイプ加工に特化した自動化生産ラインを構築し、他社に負けない低コストと短納期を実現している。2009年には「第3回ものづくり日本大賞」の製造・生産プロセス部門において経済産業大臣賞を受賞するなど、同社の自動化生産ラインは外部の評価も高い(図)。

〔以下、日経ものづくり2011年2月号に掲載〕

図●自動化生産ライン
第3回ものづくり日本大賞・経済産業大臣賞の受賞対象となったライン。金型プレスのトランスファ加工を自動で行う。