「電子機器のスマートフォン化」。2011年1月6~9日に米国ラスベガスで開催された家電関連の展示会「2011 International CES」では,あらゆる電子機器がインターネットにつながり,各種のWebサービスを受ける端末に変化するトレンドがはっきりと見て取れた。最も注目を集めたのが,“リビングの王様”のテレビに訪れた大変革である。

韓国勢が「Smart TV」で競演

 テレビに大変革の時が訪れている。放送される番組をただ見るだけの受動的なデバイスから,ユーザー自らが見たい動画コンテンツやアプリーション・ソフトウエア(以下,アプリ)などを探すといった「能動的なデバイス」への変化である。

 2010年のCESでは,「Netflix」や「Vudu」,「YouTube」などインターネットの動画配信サービスの多くに対応したネット・テレビが注目を集めた。今回はそれを一歩進めて,見たい動画を配信元にかかわらず横断検索できたり,テレビ向けのアプリをネットからダウンロードして使ったり,家庭内の他の機器と連携して動画コンテンツをいろいろな場所で楽しめたりする「次世代のネット・テレビ」の提案が相次いだ。

 こうしたテレビの基本的なコンセプトは,ソニーが2010年10月に米国で発売した,テレビ向けのソフトウエア・プラットフォーム「Google TV」を搭載した製品に類似している。今回のCESでは,韓国勢やパナソニックなどが,独自のプラットフォームによる次世代ネット・テレビで競演した。

「Smart TV」で真っ向勝負

 韓国のSamsung Electronics Co., Ltd.とLG Electronics Inc.は,こうしたテレビを「Smart TV」と呼ぶ。両社はブース内にSmart TVと書かれた大看板を掲げ,大きな展示スペースを割いてアピールした。

『日経エレクトロニクス』2011年1月24日号より一部掲載

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