HEVへの展開を見据えたホンダのPHEV

 いよいよ,「プリウス」に技術力で真っ向勝負を仕掛けられるハイブリッド・システムが登場しそうだ。ホンダは2010年12月に電動車両の実証実験を始めると発表し,併せて,2012年の実用化を目指すプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)と電気自動車(EV)の試作車を公開した。

 注目すべきはPHEVである。ホンダはハイブリッド・システムに,駆動・回生用と発電用の二つのモータを使うシリーズ・パラレル方式を採用した。これはプリウスと同じ方式で,複雑だが効率に優れ,高燃費を達成しやすい。これまで中型車向けにシリーズ・パラレル方式を事実上量産できているのはトヨタ自動車だけであり,同社がハイブリッド車(HEV)開発で圧倒的な優位に立つ力の源泉がこのシステムだった。

 これにホンダは挑戦する。しかも,トヨタ自動車とは異なる,エンジンとモータを独立に制御する構成を考えている。開発を担当する,本田技術研究所 四輪R&Dセンター 主任研究員の櫛田孝隆氏は「我々が一番効率の高いシステムを作っている」と語り,“トヨタ越え”の自信をのぞかせた。

『日経エレクトロニクス』2011年1月24日号より一部掲載

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