電気自動車(EV)は日本の新産業として有望であると、大多数の日本メーカーがみている。そして、先手必勝とばかりに多くのメーカーがそのチャンスをつかもうと動きだした──。

 世界的に見て、ハイブリッド車(HEV)の人気が突出して高い日本では、EV市場の拡大に懐疑的な見方も根強い。だが、今回の調査は、そうした消極的な見方とは一線を画す結果となった。

 それを端的に示すのが、勤務する会社が今後のEV市場をどのようにみているかという質問に対する回答だ(Q1)。「大いに期待できる」(40.5%)と「やや期待できる」(35.9%)を合わせて、76.4%と圧倒的多数が「期待できる」と答えた。海外ではHEVよりもEVの開発が積極的に行われている。加えて、技術的に見るとEVとHEVも共通点が多く、両市場共に期待を寄せているということなのかもしれない。

 続いて、「期待できる」とみる回答者を対象に、勤務する会社が具体的な取り組みを開始したかを聞いたところ、50.9%が「既に開始している」と答えた。「まだ計画していないが、その計画がある」との回答も13.9%ある。期待をチャンスに変えようとする動きが明白だ。

〔以下、日経ものづくり2011年1月号に掲載〕

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