雑誌 特集

今どきのヒット商品,鉱脈は足元に

河合 基伸=日経エレクトロニクス
2010/12/24 09:00
 

第1部<総論>
“スマホ”だけが主役にあらず
独自機能を磨いた製品に脚光

2010年にヒットした製品は,スマートフォンやタブレット端末だけではない。日本独自の機能を持つ“ガラパゴス”製品もヒットしている。実は,地域に特化した製品がヒットするのは世界で共通の傾向だった。

世界戦略品だけでなく,個別市場に最適化した製品もヒット

 2010年は「iPhone」「Android」端末などのスマートフォン,「iPad」に代表されるタブレット端末,「Facebook」「Twitter」といったWebサービスが,世界市場を席巻した。いずれも,ほぼ同一仕様の製品やサービスであることが特徴だ。この世界戦略品と呼べる商品やサービスが次々と世界中に流通し,各地域で多くの消費者を引き付けた。

 もちろん日本でも,複数の商品ランキングでスマートフォンやTwitterが上位を占めた。「K-POPやファスト・ファッションを含めて海外発のヒット商品が多く,黒船来襲の年だった」(電通 電通総研 インサイト・センター ヒューマン・インサイト部 研究員の東田哲明氏)。

 ただし,ヒットしたり話題になったりした商品は,それだけではない。世界戦略品ではない日本独自の製品も多数の消費者の心をつかんだ。実は,世界戦略品が大いに受け入れられる一方で,特定地域に向けた製品が市場で歓迎される傾向は世界でも同様である。スマートフォンがヒットする傍ら,例えば環境意識が高いドイツでは省エネ家電が,食の安全に対する意識が高まる中国では豆乳製造機が,子供の教育に熱心な韓国では学習用タブレット端末などがヒットしているのだ。

 こうした状況を見ると,日本市場に最適化した商品が“ガラパゴス”とやゆされる昨今の日本の状況に強い疑問を感じる。確かに,安価でデザインや機能に優れた,世界で通用する商品を生み出すことは,企業にとって大きな目標であろう。だが,それで十分なのだろうか。世界戦略品と地域特化品が共に受け入れられる状況では,地域特化を重視しないと各地域の市場で存在感を失いかねない。

 世界戦略品の勢いに目を奪われることなく,一度商品作りの原点に立ち返ってユーザーの声に耳を傾け,自信を持って地域に特化した製品を各市場に問うてみてはどうか。これが,世界戦略品とは異なるヒット商品につながる,もう一つの道といえる。

『日経エレクトロニクス』2010年12月27日号より一部掲載

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第2部<日本編>
ユーザー目線の商品を
エコポイント特需が後押し

2010年の日本では,「エコポイント」の影響で家電量販店に多くの人が訪れた。家電量販店に訪れた人の目に留まったのが,従来の常識を覆す発想を取り入れたり,長年の技術課題を解決したりした商品である。

既存市場と新規市場でヒットを狙う

 「整理券を取ってお待ちください。ご案内まで1時間ほどかかる場合もあります」──。2010年の日本の家電市場は,エコポイントの影響を大きく受けた。特に,エコポイントの減額が近づいた2010年11月の週末の家電量販店は,薄型テレビを買い求める人でごった返していた。実は,エコポイント対象商品を目当てに販売店を訪れる人が増えたことで,ほかの商品の販売も好調に推移し,多くの分野でヒット商品が生まれることになった。

 エコポイントによる特需に加えて,消費者の気持ちの変化も販売状況に大きく影響したとみられる。これまでの節約一辺倒から,「“ちょっとぜいたく”消費が徐々に増えてきている」(電通の東田哲明氏)のだ。実際に,例えば洗濯機では下位機種の比率が下がり,中位機種が増加する傾向が見える。この,ちょっとぜいたくしたい気持ちをくすぐるような,ユーザー目線に立った機能を付加した商品がよく売れたほか,ユーザー目線の商品開発を進める手段も登場して話題となった。

 エコポイント特需と,ちょっとぜいたく消費の後押しによって,ヒットしたり話題を集めたりした商品やサービスには,いくつかの特徴がある。(1)新たなユーザー層を開拓した製品,(2)多くの消費者をつかんでいる既存市場を確実に押さえる製品,(3)次世代技術を先取りして先進性に興味を抱く消費者をつかんだ製品,(4)話題性のある世界戦略品を利用した製品,(5)話題を集めるだけではなく別のヒット商品を作り出す製品,の五つに分類できそうだ。

 以下では,それぞれのヒット商品を陰で支えた技術や商品企画の工夫を紹介する。ここには,次のヒット商品を生み出すヒントが隠されている。

『日経エレクトロニクス』2010年12月27日号より一部掲載

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第3部<アジア/欧米編>
各地域の特色を反映した
オリジナル商品がヒット

アジアや欧米では,2010年にどのような商品がヒットしたのか。現地からの報告では,豆乳メーカーや学習用タブレット端末,超高速電動アシスト付き自転車など,日本では聞いたことがない商品が次々と挙がってきた。オリジナル商品をヒットに押し上げた各地域の実情を,現地からレポートする。

『日経エレクトロニクス』2010年12月27日号より一部掲載

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