電動パワーステアリング(EPS)の世界市場は2016年に2009年比約2.5倍の約4890万台に拡大する、との調査結果を矢野経済研究所がまとめた(図)。従来の油圧パワーステアリングに比べて、EPSを使うと燃費を3~5%程度向上できるためだ。
 EPSは、操舵トルクをアシストするモータの位置によってコラム式、ピニオン式、ラック式に分かれる。コラム式はコストが低いのが特徴で、2009年のEPSの市場実績である1920万台の半分以上を占める。この傾向は2010年も続くが、今後は大型車を中心に高出力に対応するラック式EPSの搭載台数も上昇するとみる。

以下、『日経Automotive Technology』2011年1月号に掲載
図 電動パワーステアリング(EPS)と電動油圧パワーステアリング(EHPS)の世界市場予測(台数ベース)
EPSの台数が増える一方で、EHPSは減少傾向にある。