NTTドコモは、カーナビ向け情報提供サービスを開始した。PND(パーソナル・ナビゲーション・デバイス)やスマートフォンで、地図情報の更新やリアルタイムの渋滞情報を入手できる。まずは国内でPND最大手の三洋電機が対応製品を実用化した。

 NTTドコモは2010 年11月19日、カーナビ向け情報提供サービス「ドコモドライブネット」を開始した。これまで携帯電話事業者は、カーナビ向けに通信モジュールを供給することはあったものの、こうした情報サービスは提供しておらず、今回が同事業者として初めての参入となる。
 利用できる端末として想定するのは、FOMA対応の通信モジュールを内蔵したPND(パーソナル・ナビゲーション・デバイス)やスマートフォン。基本の情報サービスは、地図データやリアルタイム渋滞情報、ガソリンスタンドや駐車場などの周辺情報の配信などである(図)。
 リアルタイムの走行情報であるプローブ情報は、サービス開始当初、当社がコンテンツプロバイダーから供給を受けて用意する1万2000台相当のタクシー情報を使う。周辺情報はコンテンツプロバイダーから入手する。
 配信する地図データは、PNDとスマートフォンで異なる。PNDの場合は、端末側にすべての地図データを備えるため、サーバと通信するのは、地図データを差分更新するときだ。一方のスマートフォンは、地図データの多くを通信回線を介してダウンロードして表示する。
 ドコモ ドライブネットは当社独自のサービス「グループ位置共有」も用意している。ドコモ ドライブネットの対応端末であれば、仲間の現在地をカーナビ上で確認できる。複数台のクルマに別れて、目的地に移動する場合に便利だ。利用するときには、画面上で設定するだけで良い。

以下、『日経Automotive Technology』2011年1月号に掲載
図 「ドコモ ドライブネット」のサービス
NTTドコモの通信モジュールを内蔵するPNDやスマートフォンで、渋滞情報など各種情報を受信できる。PCや携帯電話で目的地などの周辺エリアにある施設情報を検索して、カーナビに設定することも可能。