2010年11月、中国深センで開催された電動車両の国際フォーラム兼展示会「EVS25」。1969年の第1回以来最大規模での開催となり、共産党の幹部も多数現地を訪れた。中国の「新エネルギ車(電気自動車、ハイブリッド車、燃料電池車、代替燃料車)」の動向と電気自動車開発戦略を追う。

 中国は総合経済政策である第12次5カ年計画(2011~2015年)の草案の中で環境、資源エネルギ、ITなどの革新的技術の重要性を示している。
 EVS25では、新エネ車関連の自主開発促進などを含む高度技術開発計画「863計画」にかかわる中国科学技術部の関係者が、第12次5カ年計画に沿った新エネ車の普及戦略について発表した。まず、2020年の自動車普及率は人口1000人に対して94.53台で、総保有台数は2010年の約2.5倍に当たる1億3206万台と予測した。乗用車部門では、2020年に67.72台となり、総保有台数は約3.1倍の9461万台とする。市場拡大は2030年まで続き、それ以降伸びは緩やかになると説明した。
 具体的な目標は次の三つである。(1)自動車産業政策として、2015年までに新エネ車を国内生産・販売台数の20%とし、平均燃費を2008年比で20%向上、平均CO2排出量を160g/kmとする。(2)さらに、50万台のEV生産能力(年間生産能力かどうかは不明)を実現し、乗用車市場においては生産・販売台数の5%をEVとする。(3)新エネ車の産業化を促進し、購入インセンティブを与える「十城千両」政策を25都市の実証試験として拡大し、EVを20万台強導入する(図)。

以下、『日経Automotive Technology』2011年1月号に掲載
図 新エネルギ車開発のロードマップ
(a)「十城千両」政策を25都市に拡大し、補助金を支給し公共サービス車に新エネルギ車を導入する。(b)第2段階で都市バス、マイルドHEV、小型EVを、第3段階でフルHEV、EV、PHEV、FCVを普及。