既存のエンジン車の車体に、モータや電池を組み合わせて電気自動車(EV)とする改造EV(コンバージョンEV)。中小企業が中心となって参加する「電気自動車普及協議会(APEV)」が、改造EVの安全規格の策定に向けて活動している。APEV代表幹事の中島徳至氏に背景や狙いを聞いた。(聞き手は小川計介)

APEV(電気自動車普及協議会)代表幹事 ゼロスポーツ社長 中島徳至氏

 APEVは、中小企業によるEV事業を支援することを目的に2010年6月末に発足した。政府は2020年に新車販売台数の15~20%をEV(プラグインハイブリッド車込み)にする目標を定めているが、EVの価格は当面エンジン車よりも高く、EVを普及させるのは容易でない。また自動車メーカーと直接取引する部品メーカーは依然として限られている。一方の改造EVであれば、参入障壁が低くなるため参入する中小企業の数も増え、結果として政府の目標達成に寄与することになる。
 改造EVは、既存のエンジン車の車体を使い、エンジンをモータに、燃料タンクを電池に置き換えるもので、開発期間やコストを大幅に抑えることが可能だ。自動車メーカーが車体の供給や衝突安全の試験などで協力してくれれば中小企業でも改造EVを実用化できる。

以下、『日経Automotive Technology』2011年1月号に掲載