一般公開の初日にフランスにある米Ford社の工場閉鎖に抗議する同社の労働組合がブースを占拠するという騒然とした雰囲気の中、パリモーターショー2010(Paris Mondial de l'Automobile2010)が始まった(図)。相変わらず主役はEV(電気自動車)、HEV(ハイブリッド車)など“電気系”だった。ただしエンジン、変速機などで新機軸を打ち出した展示も一部では気を吐いていた。

図 デモ隊に襲われた米Ford社のブース

 今回のパリモーターショーでは、英Jaguar社がガスタービンHEVという新たな方向を探った。ディーゼルHEVも勢力を伸ばした。
 EVではドイツDaimler社、フランスRenault社などが発売直前のモデルを展示、これまでは“将来の技術展示”だったブースが“ショールーム”に変わった。EV、HEV以外では、Fiatグループのパワートレーン開発を担当するFiat Powertrain Technologies(FPT)社、ドイツSchaefflerグループがエンジンと変速機に新機軸を出し、旧来の駆動システムに対しても力を抜かないことをアピールした。

以下、『日経Automotive Technology』2011年1月号に掲載