ホンダのベストセラー車「フィット」が、2007年10月の全面改良以来、3年ぶりの大幅な部分改良を受けた。ハイブリッド仕様を新たに追加したほか、その他の車種もそれぞれの個性をはっきりさせ、幅広いユーザーのニーズに応えた。

 今回の部分改良は「全面改良並みに力を入れた」(本田技術研究所四輪R&Dセンター LPLの人見康平氏)との言葉通り、外観では前後のバンパーやグリルだけでなく、ヘッドランプやテールランプ、さらには通常の部分改良では手をつけないフロントフェンダーの形状まで変更している。一方室内でもドアノブやエアコンの操作ダイヤル、床下収納スペースなどの形状を細かく見直した。
 そのうえで、自動車市場に占める小型車の比率が高まり、それに伴って消費者の要求も多様化していることに対応することを大きな狙いとした(図)。

以下、『日経Automotive Technology』2011年1月号に掲載
図 部分改良した「フィット」の開発の狙い
「ハイブリッド」を追加したほか、ベース車の「13G/13L」、上質さを向上させた「15X」、スポーツ車種の「RS」のそれぞれの個性を強めた。