日産自動車は「GT-R」を部分改良し、11月17日に発売した。エンジンは最大トルクを588N・mから612N・mに、最高出力を357kWから390kWに向上させた(図)。燃費はJC08モードで8.4km/Lから8.6km/Lとした。過給圧を上げたほか、ターボチャージャのコンプレッサ出口の断面積の変化を緩やかにするなど、流路抵抗を下げて実現した。

 車体構造ではストラット頂部とエンジンルーム隔壁を結ぶストラット支持材を追加した。Al(アルミニウム)合金ハニカムを心材とし、炭素繊維をクロス状に織ったプリプレグで挟んでオートクレーブに入れる。支持材の質量は400g弱だ。ストラット支持材というと、左右の2点、あるいは中央の隔壁を含めて3点を結ぶことが多いが、この支持材は車体との取り付け点が12カ所あり、隔壁自身の強化部材を兼ねている。

以下、『日経Automotive Technology』2011年1月号に掲載
図 エンジン
出力は390kWと、9%向上した。