富士重工業は、同社の主力エンジンである水平対向エンジンを刷新した「新世代ボクサーエンジン」を開発した(図)。2010年10月に部分改良した、SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)の「フォレスター」から搭載を始めた。

 新型エンジンは基本骨格から全面的に刷新し、従来よりも約10%燃費を向上したのが最大の特徴。水平対向エンジンの刷新は、1989年発売の初代「レガシィ」に搭載した第2世代水平対向エンジン以来21年ぶりのこと。新型エンジンを生産するため、群馬製作所大泉工場内に専用工場を新設した。
 新型エンジンには排気量2.0Lのタイプと2.5Lのタイプの2種類があり、2.0Lエンジンの場合で、ボア×ストロークを現行エンジンの92mm×75mmから84mm×90mmへとロングストローク化した。

以下、『日経Automotive Technology』2011年1月号に掲載
図 富士重工業の新型水平対向エンジン「FB20」
ロングストローク化によって燃費を10%向上させた。ただし将来の排気量拡大などをにらみ、ボアピッチは従来と共通。またエンジン単体の質量は、排気側に可変バルブタイミング機構を追加したことや、EGRクーラを装備したことなどで、従来より約4kg重くなっている。