今回も前回(2010年11月号)に引き続き、農業機械などを開発・製造・販売する山本製作所を舞台に、台車活用のポイントを学ぶ。前回は、外注先からの納入部品を扱う台車を取り上げたが、今回は、社内工程間で物を受け渡す台車を主な題材とする。
2010年7月某日、この日のカイゼン活動が終盤に差し掛かったころ、あるイベントが開催された。事前に、同社工場のスタッフと山田日登志氏主宰の研修に参加するメンバーたちが、チームに分かれてそれぞれの台車を製作。それらの台車を山田氏らが評価・採点する「台車コンテスト」である。
「ちょっと説明してくれるか」
山田氏が言うと、工場スタッフの1人が自分たちで作製した台車の説明を始めた。その台車は穀物乾燥機の生産ラインにおいて、溶接工程でできた大型部品を次の塗装工程へ運ぶためのもの。運用方法は上の図の通り。台車3台を2工程でぐるぐる回すのだ。このように台車を運用すると、あるムダが省けるのだが、それは何だろうか。
〔以下、日経ものづくり2010年12月号に掲載〕