【強さの秘密】粉体処理に必要な幾つもの機能を1台でこなす、アイデアに富んだ複合機の開発を得意とする。板金や溶接加工をはじめ、電気系統を除くすべての加工・組立業務を内製化しており、高品質の装置を短期間で造り上げる技術で他社との違いを打ち出す。

 ツカサ工業は、主に食品、薬品業界向けの粉体処理機やそれらを組み合わせた粉体処理ラインを製造している。一口に粉体処理といっても、加水から粉砕、混合、乾燥、ふるい分け、温度・湿度調整など多数の工程がある。

 例えば、ツカサ工業の代表的な製品に、衝撃式粉砕機の「ラインミル」や、粉体を選別するふるい分け機「ラインシフター」がある。いずれも、既設の空気輸送ラインに組み込んで使用する装置である。

 ラインミルは、多数のピンが立った円板を高速回転させて原料を粉砕する、一般に「ピンミル」と呼ばれる装置の一種である(図)。同社の製品は、気流によって空気の流れを変化させ、装置の配管中を通る粉同士を衝突させて微粉末化する機能を併せ持っている。粉砕対象となる原料にもよるが、これにより、粗粉砕や微粉砕など、求める粒状を効率よく造り出せるという。

〔以下、日経ものづくり2010年12月号に掲載〕

図●ラインミル
原料の塊を粉砕するための装置。配管内の粉体を微細化する機能も備える。