シーメンスPLMソフトウェア(本社東京)は、主として工作機械業界をターゲットにした3次元設計ツール「Mechatronics Concept Designer」(米Siemens PLM Software社)を発売した。3次元CAD「NX」をベースにして動作するモジュールであり、機械設計だけではなく電気/ソフトの設計も想定している点と、設計初期の構想設計と呼ばれる段階での利用を強く意識している点が特徴。さまざまなメカトロニクス製品に使える可能性はあるが、最も特徴を生かせる対象は工作機械であるとしている。

初期に手軽なシミュレーション

 構想設計に向けて、力学的な動きの検証を素早く実行する機能を盛り込んだ。さまざまな機構のアイデアを検討することを見込んだものだ。長方形(箱や棒)や円筒で簡単なモデルを作成し、これを製品の一部と見立てて機構と動力を定義すると、アニメーションで動作を視覚的に確認できる。重力を計算に入れることも可能だ(図)。

〔以下、日経ものづくり2010年12月号に掲載〕

図●シーメンスPLMソフトウェア社の「Mechatronics Concept Designer」のシミュレーション機能
ゲームソフト用の計算エンジンを用いることで、ほぼリアルタイムに動きを検証できるようにした。例えば、重力の働く小さな板片と傾いた大きな板を設定(a)し、小さな板片が大きな板の上に落ちて滑っていく様子(b)も簡単にシミュレーションできる。