Moveモーションコントローラの内部

 「これまでのジェスチャー入力を超えた,高精度の操作を実現できる」(ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)WorldwideStudios プレジデントの吉田修平氏)──。

 SCEのプレイステーション 3(PS3)向けジェスチャー入力システム「PlayStation(PS) Move」の開発を主導した同氏は,こう胸を張る。同システムで用いる棒状の専用端末「PS Move モーションコントローラ」(以下,モーコン)は,2010年9月の発売からわずか1カ月ほどで,出荷台数が250万台を突破するなど,好調な滑り出しを見せている。

光る球体で距離を検知

 PS Moveのジェスチャー入力技術は,モーコン内のセンサ類による動きの検知技術と,PS3用カメラ「PS Eye」による画像認識技術を組み合わせている。最大の特徴と言えるのが,モーコンの先端部に付いた「スフィア」と呼ばれる光る球体。スフィアの大きさを PS Eyeが検知することで,テレビまでの距離を正確に測る。加えてEyeは,顔認識技術を使ってユーザーの顔面の映像をトラッキングできる。モーコンには3 軸の加速度センサ,ジャイロ・センサ,地磁気センサの3種類を搭載し,動きを検出する。

 検出精度の高さを誇るPS Moveの設計上の工夫を,モーコンを分解することで探ってみた。

『日経エレクトロニクス』2010年11月15号より一部掲載

11月15日号を1部買う