今回からは、「製品からの視点を中心とした製品開発力向上」に関する取り組みに焦点を当てる(表)。この取り組みは3次元設計を展開していない場合にも適用でき、場合によっては3次元設計プロセスを再構築する前に実施することも可能である。しかし、パラメトリック機能の活用や3次元モデルによる検証性の向上など、3次元設計との相乗効果は期待できるので、ぜひ、取り組んでもらいたいテーマである。
今回と次回の2回は、活動テーマの「標準化・モジュール化」について紹介する。第5回(2010年8月号)では3次元設計の活用拡大として「形状要素(部品形状)」のモジュール化について説明したが、今回は「設計」の標準化・モジュール化である。形状のモジュール化がモデリング作業や後工程での効率化が目的であるのに対して、設計の標準化・モジュール化は設計の視点から合理的な標準を見いだすことを目的としている。もちろん、受注から具体的なモデリング作業に入るまでのプロセスを効率化する狙いもある。
筆者らの手法では、「標準化」と「モジュール化」を明確に分けている。その上で、設計プロセスを大きく「機能設計」と「形状設計」に分けて考え、それぞれに対して標準化とモジュール化を適用するのが特徴だ。以下、それぞれの用語の定義も含め、設計の標準化・モジュール化を進める手法の概略を紹介する。
〔以下、日経ものづくり2010年11月号に掲載〕
O2 技術ディビジョン コンサルタント
O2(http://www.o2o2.co.jp/)は、設計開発領域を専門とするプロ集団。顧客企業の業務プロセス改革、高度な技術課題解決を総合的に支援。3D-DPRMなど独自の方法論を持つ。