立命館大学理工学部教授の谷泰弘氏の研究グループは、液晶テレビのガラス基板の研磨材(砥粒)として使われるセリウム(Ce)の使用量を削減できる技術を開発した。Ceはレアメタル(希少金属)の1つであり、その供給リスクの低減が大きな課題となっている。

 同研究グループが開発した内容は大きく、(1)エポキシ樹脂を使った研磨パッド、(2)有機物をコアとした複合砥粒子、の2つある(図)。いずれも、研磨能率を向上することによってCeの使用量を少なくできる上、Ceを使わない研磨の可能性も示唆する。

〔以下、日経ものづくり2010年11月号に掲載〕

図●エポキシ樹脂製研磨パッドと研磨結果
研磨パッドの材質として、従来は考えられていなかったエポキシ樹脂を採用した(a)。CeO2砥粒と組み合わせて実験した結果、無気孔のものでも従来の多孔質ウレタン研磨パッドと組み合わせた場合と同等、有気孔のものでは2倍以上の研磨能率を得られることが分かった(b)。