2010年10月に千葉で開催された「CEATEC JAPAN 2010」では、わずかな振動や温度差を使って発電する部品が数多く出品された。こうした発電技術は「エネルギ・ハーベスティング」と呼ばれ、近年関心が高まっている。これまで捨てられてきたエネルギを“収穫(ハーベスト)”して、小さいながらも電気に変換しようという技術だ。例えば、CEATECでは、オムロンが振動発電モジュール、富士通研究所が小さな熱電変換デバイスの開発品を展示していた。

 2010年5月には国内メーカー13社が、同分野に関する情報交換や普及を目的とした「エネルギーハーベスティングコンソーシアム」を立ち上げている。その後参加企業が増えて、現在は国内外の30社近くが加盟しているという。

小型モジュールが続々

 オムロンが開発したのは、エレクトレットを使った寸法20×20×4mmの振動発電デバイス。展示品の場合、周波数30Hz、加速度150mGの振動を加えると100μWを発電する(図)。これに、加速度センサや無線通信モジュール、整流回路や電源制御回路、蓄電デバイスを組み合わせた。

〔以下、日経ものづくり2010年11月号に掲載〕

図●オムロンの振動発電モジュール
右がエレクトレットを利用した発電デバイス。中央は蓄電デバイスであるキャパシタや、センサ、整流回路、電源回路、無線通信モジュールなどをパッケージングしたモジュール。