写真は筑波大学らが開発している、直径45×長さ200mmほどの地中掘削用の小型ドリル。通常、地盤の調査には大きなやぐらを組んでのボーリングなどが必要だが、このドリルは非常に小さく、自動的にどんどん掘り進んでいく。大掛かりな設備が要らないため地盤調査コストの低減が期待できるほか、小さくて持ち運びが容易なので将来の月面探査への適用も念頭に開発を進めている。しかし、よく見ると普通のドリルとちょっと違う。先端に付いているドリルの刃(ドリルビット)が、2つに分かれているのだ。小型で軽量のドリルが、自律的に地中を掘り進んでいくのに必要な機能を実現するためなのだが、その理由を考えてほしい。

〔以下、日経ものづくり2010年11月号に掲載〕