不揮発性RAMをキャッシュに用いたSSDの書き込み動作

 SSDのキャッシュ・メモリとしてReRAM(抵抗変化型メモリ)のような不揮発性RAMを利用することで,データ書き込み時の消費電力を大幅に低減する。こうした手法を東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻 准教授の竹内健氏のグループが開発した。この成果を2010年9月22~24日に東京で開催された半導体デバイス/材料の国際会議「SSDM(Solid State Devices and Materials)2010」で発表した。SSDのデータ書き込み時の消費電力を従来比で97%低減でき,動作信頼性の指標となる許容ビット不良率を3.6倍に高められるという。

新メモリの効果を定量的に評価

 今回の発表は,NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)がエルピーダメモリと東京大学に委託した「高速不揮発メモリ機能技術開発」プロジェクト(2010~2012年度)の最初の成果である。同プロジェクトでは,エルピーダメモリが東京大学,シャープ,産業技術総合研究所と共同でGビット級のReRAMを開発する。

 これと並行して,東京大学が中心となり,ReRAMを利用したSSDのアーキテクチャを提案し,その効果をシミュレーションなどで検証する計画である。今後,論理LSIやメモリの動作をSystemCなどの言語で記述し,想定するアーキテクチャの性能を定量的に評価する。

『日経エレクトロニクス』2010年10月18日号より一部掲載

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