日本でスマートフォンといえばソフトバンクモバイルが手掛ける「iPhone」シリーズが圧倒的な存在感を持つが,KDDIとNTTドコモの追撃体制がようやく整いつつある。KDDIは2010年10月4日,シャープが開発したAndroid搭載スマートフォン「IS03」を発表した。翌日の5日には,NTTドコモが韓国Samsung Electronics Co., Ltd.のAndroid搭載スマートフォン「GALAXY S」と「GALAXY Tab」を発表した。

 これまでKDDIやNTTドコモが提供していたAndroid搭載スマートフォンは,サイズが大きかったり,最新バージョンのAndroidに対応していなかったりしていたため,iPhoneの競合としてはやや力不足だった。今回,両社が発表した3機種は,iPhone 4と互角以上の仕様を実現している。

「1台持ち」を可能にするIS03

 IS03の最大の特徴は,おサイフケータイ,ワンセグ,赤外線通信といった,従来の日本の携帯電話機が持つ機能を備えている点である。iPhoneなどの従来のスマートフォンに対しては,「日本で使うには足りない機能がある」との指摘があった。このため実際,従来の携帯電話機と2台持ちするユーザーが多かった。IS03であれば,1台でほとんどの機能を賄える。KDDI 代表取締役執行役員専務の田中孝司氏は「IS03でauの本気度を見てもらいたい」と語る。

『日経エレクトロニクス』2010年10月18日号より一部掲載

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