エンジン音を消音するマフラーは耐久性や性能の向上、造り方の改善で進化してきた。最近はハイブリッド車の普及に伴って排気熱回収器などの新機能も組み込まれている。将来はサブマフラーをなくして小型・軽量化や低コスト化をいっそう進める動きもある。これまでのマフラーの進化と将来に向けた取り組みをフタバ産業に聞いた。

 マフラーの語源は「mauffl e=覆って音を消す」に由来する。エンジンの爆発音を消音し、排ガスの温度を下げるのが基本機能だ。しかし、高回転時には、出力特性を犠牲にしない排気抵抗の少なさや、排気系部品として排ガス浄化のための触媒やDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)との組み合わせが必要になっている。最近ではハイブリッド車(HEV)が搭載する排気熱回収器もサブマフラーに一体化している(図)。

以下、『日経Automotive Technology』2010年11月号に掲載
図 マフラーの構造
トヨタ自動車新型「プリウス」の例。排気熱回収器とサブマフラーが一体化されている。