三菱自動車は、SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)の「パジェロ」を部分改良した。これに伴い、排気量3.2Lの直列4気筒ターボディーゼルエンジン搭載車を最新の規制であるポスト新長期規制に対応させた。主な改良点はエンジン制御の改善と触媒の追加である。

 ディーゼル乗用車向けのポスト新長期規制は、2009年10月から適用されていたが、継続生産車については1年間の猶予があり、これまでは新長期規制に対応したモデルを販売していた。2010年9月からは継続生産車も規制に対応する必要があり、エンジンの出力を向上させ、排ガス浄化性能を高めたモデルを投入した。
 ディーゼルモデルは直列4気筒の排気量3.2Lディーゼルターボエンジン「4M41」型を搭載し、これは従来と変わっていない(図)。しかし、シリンダヘッドを新設計とし、吸気ポート形状、燃焼室形状、圧縮比を変更したほか、インジェクタ、ターボチャージャ、EGR(排ガス再循環)クーラ、排ガス後処理システムなどを大きく改良している。排ガス後処理システムでは、NOx(窒素酸化物)吸蔵還元触媒の性能を向上させ、HC(炭化水素)トラップ機能付き酸化触媒を追加した。

以下、『日経Automotive Technology』2010年11月号に掲載
図 エンジンルーム排気量3.2L直列4気筒
排気量3.2L直列4気筒ターボエンジン「4M41」型を搭載。