マツダは、2011年に発売予定の新型車に搭載する次世代パワートレーンを発表した。「SKY」と呼ぶシリーズは、排気量2.0L・直4ガソリンエンジン「SKY-G」、2.2L・直4ディーゼル「SKYD」、6速自動変速機(AT)「SKY-Drive」、新型6速手動変速機(MT)からなり、小型・軽量化と高効率化をうたう。

 新型パワートレーンの特性を引き出すためにプラットフォームも新設計し、ディーゼル車では「アテンザ」クラスの車両でCO2排出量を「デミオ」なみに下げる。今回は開発中のプラットフォームに現行アテンザのボディを被せた試作車を用意し、新型パワートレーンを載せて試乗させた。
 SKY-GとSKY-Dの開発では、理想のエンジンと現状との差を拾い上げ、その差を埋めるように改良した。SKY-Gでは、自然吸気のまま直噴化するとともに圧縮化を上げてトルクを向上させ、運転時にエンジン回転数を下げる“ダウンスピード”を狙った。具体的には、14まで圧縮比を高め、可変バルブリフト機構によりポンピング損失を減らし、摩擦損失も低減(図)。将来は、より圧縮比を高めて、希薄燃焼やHCCI(均質予混合圧縮着火)で低燃費を目指す。

以下、『日経Automotive Technology』2010年11月号に掲載
図 ガソリンエンジン「SKY-G」とディーゼルエンジン「SKY-D」の目標
ガソリンエンジンは高圧縮比とし、抵抗低減を図り、可変バルブリフト機構を採用。ディーゼルは低圧縮比化でエンジン各部にかかる荷重を低減し、噴射タイミングを最適化。