特集

部品不足を乗り切る

選り好み時代の終焉
解説1

欧州の家電が目指す“3Dテレビの次”

民生機器関連の展示会「IFA 2010」から
解説2

日本のメーカーはLTE時代に勝てるのか

「東京国際LTE会議2010」から
NEレポート
論文

全体を巻き取れる,厚さ80μmの有機EL

独自の有機半導体材料で実現
野本 和正 氏 ほか
ソニー コアデバイス開発本部 フレキシブルディスプレイ開発部門 フレキシブルディスプレイ開発部 統括部長 主幹研究員
インタビュー

新興国市場に突き進む,東芝らしい製品を現地に

大角 正明 氏
東芝 執行役上席常務 ビジュアルプロダクツ社 社長
ワールド・レポート from 中国

ソニーの低価格戦略は成功か? 「3000元テレビ」の影響を探る

ドキュメンタリー

このままだと間に合いません

地デジ視聴・録画キット「torne」の開発(第3回)
NEアカデミー
電子技術者のための仕事力養成講座(第1回)

判断を迫られたとき,迷いや悩みはなぜ起きるのか

クローズアップ
  • モバイル:Infineon社の無線部門をIntel社が買収,ルネサスは携帯機器向けSoCを整理
  • ディスプレイ:ブリヂストンが電子ペーパー生産能力を3倍に,産業用途をめぐる主導権争いの号砲か
  • 医療エレ:アニメ企業も医療分野に本格進出,医療現場の課題を異分野のノウハウで解消
キーワード

MIMO

編集長から

 機器メーカーと部品メーカーの関係が今,大きく変わろうとしています。キッカケは2009年夏ごろに始まった主要部品の供給不足です。例えば今年7月,自動車に搭載するECU(電子制御ユニット)の納入遅れが引き金となり,日産自動車は一部の完成車製造ラインの操業を停止せざるを得ない状況に追い込まれました。ECUに搭載するカスタムICの調達不足が根本的な原因でした。いわゆるジャスト・イン・タイムを実践する自動車業界で,こうした事態が起きるのは極めて異例です。自動車業界だけではありません。家電業界などでも半導体や受動部品,外部記憶装置,ディスプレイなどが不足し,機器メーカーは部品確保に腐心しています。

 従来,機器メーカーと部品メーカーの間には「買い手優位」の構図がありました。機器メーカーは部品メーカーを選り好みできたわけです。ところが,昨今の部品不足によって部品メーカーの存在感が高まり,部品メーカーが取引相手の機器メーカーを選ぶといった“逆転現象”も起きているようです。これまで当たり前のように入手できていた部品がなかなか手に入らないようになると,機器メーカーにはどういった影響が出てくるのか,今回の事態は一過性のものなのか,機器メーカーはどんな対策を講じるべきなのか――。こういった視点で最新号の特集「部品不足を乗り切る ――選り好み時代の終焉――」をまとめました。

 このほか最新号では,9月にドイツで開催された民生機器関連の展示会「IFA 2010」の詳報解説「欧州の家電が目指す“3Dテレビの次”」,ゲーム業界や自動車業界,通信業界の識者による次世代の高速移動通信規格LTEへの展望や期待などをまとめた解説「日本のメーカーはLTE時代に勝てるのか」,NEアカデミーの新連載「電子技術者のための仕事力養成講座」の第1回「判断を迫られたとき,迷いや悩みはなぜ起きるのか」なども掲載しております。ぜひご一読いただければ幸いです。

日経エレクトロニクス編集長  田野倉 保雄

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