特集

設計・調達を徹底現地化
マーチが変える新興国戦略

向こう5年で自動車市場の主役は先進国から新興国に移る。新興国で勝ち抜けなければ自動車メーカーの未来はない。先進国でも通用する性能・品質を実現しながら、新興国の普及価格帯まで低コスト化する。そのために設計から調達まですべてを見直した日産自動車の新型「マーチ」が新興国戦略を変える先兵となる。

  • Part.1 小型車でしのぎ削る完成車メーカー
  • Part.2 プラットフォームの刷新で最適化
  • Part.3 開発力強化する部品メーカー
  • Part.4 Hyundai Motor社躍進の秘密
  • 解説

    もっときれいになるディーゼルエンジン

    ポスト新長期規制が進み、大型トラックでは継続生産車を登録できる時期が終わった。各社は規制に対応したエンジンを開発し、排ガス中の有害成分を約1/3にするという厳しい規制に応えてみせた。排ガスを浄化する手段として、これまでDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)を使う“フィルタ派”、尿素SCR(選択還元触媒)を使う“尿素派”に分かれてきたが、規制値はあまりに厳しく、全員がフィルタ派、尿素の両方を装備、両派は合流した。それでも、後処理装置の組み合わせ、噴射の制御方法など、依然として大きな違いがある。

    充電システムは差異化の時代に

    電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の電池を充電するのに欠かせないのが、充電スタンドや充電ケーブル。2012年までにEVやPHEVの量産が始まることを受けて、新しいタイプの充電システムの投入が相次いでいる。充電システムの低価格化や使い勝手の向上、安全規格の導入など、狙いは様々。当初は似たような仕様のものが多かったが、充電システムは差異化の時代を迎えた。

    EVにとどまらない日産の環境・安全技術

    電気自動車(EV)「リーフ」の発売を12月に控える日産自動車。同社が7月に報道陣向けに実施した先進技術説明会では、EV以外の環境技術や安全技術を紹介した。効率の高い新エンジン、ハイブリッド技術、自動ブレーキなど、EV抜きでも内容は多岐にわたった。


    技術レポート

    新車レポート




    エンジニアの仕事

    HEVやEVにも変速機技術は生きる

    ジヤトコ 開発部門プロジェクト推進室 主管 中野 晴久

    明日を読む

    21世紀はシステムの時代
    電池を使った社会を設計

    東京大学 工学系研究科 システム創成学専攻教授 宮田 秀明

    グローバル新潮流を追う

    第9回 日産のインドネシア戦略
    「マーチ」「ジューク」を現地生産
    2013年に9万台の販売狙う

    ITでクルマはこう変わる

    第9回 沖電気工業の歩車間通信システム
    歩行者とクルマが通信し
    音や振動で衝突を防ぐ

    欧州ジャーナリストの視点

    吉利汽車の下でFord社傘下では咲かなかったVolvo社が花開く

    研究者の視点

    V to G実現への課題 電気自動車の計画的な運用や電池寿命の検証がカギ

    自動車部品進化論

    第21回 マフラー
    小型・軽量化、低コストを追求 排気熱回収し燃費改善

    連載講座

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    Market Watch

    • 大型2次電池市場は2015年に2009年の3.1倍に
    • 【日本市場】ホンダ「フリード」が、「スパイク」追加で8月は4位浮上
    • 【中国市場】5月は98万台まで市場が回復
    • 【米国市場】8月は10カ月ぶりに前年同月を割る
    • 【欧州市場】廃車報奨金制度の終了で前年割れ

    NewsIndex

  • 1.クロアチアDOK-ING社、戦争の傷跡を乗り越えて
  • 2.日産の新型「マーチ」10・15モード燃費は26km/L
  • 3.日産の新開発エンジン、ハイブリッド車に迫る燃費
  •    ――ほか
  • 新製品

    • ハイサイド構成のスイッチ、24V系車載システム向け ――ほか