日本郵政グループの郵便事業会社は、2011年度に1000台の電気自動車(EV)を導入する。その第1の狙いは環境対策だが、実はもう1つある。それは「コスト削減」(プロジェクトを担当する同社オペレーション企画本部集配部部長の宮澤一信氏)だ。

 同社が導入するのは、ガソリンエンジン搭載の軽商用車「サンバー」(富士重工業)をEVに改造したもの。改造車を使うのは、現時点で商用のEVは商品化されていないためだ。改造車の場合、車両価格は割高になるが、事業者向けのエコカー補助金を取得できれば、トータルのコストではガソリン車に引けを取らないという。燃料代が安いことやオイル交換などのメンテナンス費が削減できるからだ。

 さらに、「自動車メーカーが、最初からEVとして生産すれば、改造費が掛からないので補助金なしでもコスト削減効果がある」と宮澤氏はみている。実際、軽商用車タイプのEVの生産に意欲を見せる自動車メーカーは、現在でも数社あるという。

〔以下、日経ものづくり2010年10月号に掲載〕