ついに,最終製品にSiC-SBDを搭載

 三菱電機は,炭化ケイ素(SiC)製のショットキー・バリア・ダイオード(SBD)を,2010年10月下旬に発売するエアコン製品のコンプレッサ用インバータに採用した(図1)。SiCを用いたパワー半導体が,一般消費者向けの製品に実装されるのは「世界で初めて」(三菱電機)。いよいよSiCの実用化が民生品で始まったことになる。

 今回の民生品への採用は,三菱電機が2010年7月に発表したばかりのSiC半導体の量産時期を急遽前倒してのもの。具体的には,SiC-SBDについて2010年中はサンプル出荷にとどめ,量産は2011年になるとしていた。ところが「福岡,尼崎,静岡の事業所の開発メンバーが『それでは遅い』と結束して,エアコンへのSiC-SBDの搭載を進めた」(同社)という。

『日経エレクトロニクス』2010年9月20日号より一部掲載

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