特集

LTEで始まるハードな戦い

次世代端末プラットフォームを奪え
NEレポート
論文

1Gビット/秒で1mW未満,省電力の高速伝送技術

福田 幸二 氏
日立製作所 中央研究所 グリーンコンピューティング研究部 研究員
インタビュー

機器の将来担うTSVを,我々が立ち上げる

安達 隆郎 氏
エルピーダメモリ 取締役 執行役員 CTO DRAM Business Unit Graphics Div.
ワールド・レポート from インド

“Nano家電”が続々登場,拡大する超低価格帯ビジネス

ドキュメンタリー

フルセグで行きます!

地デジ視聴・録画キット「torne」の開発(第1回)
NEアカデミー
基礎から分かるスマートグリッド(最終回)

実証実験に標準化,いよいよ世界が動きだす

クローズアップ
  • クルマ:ホンダとヤマハ発動機が電動2輪車を投入,搭載する2次電池に大きな差
  • 部品/部材:苦境に立つ薄膜Si型太陽電池,三洋ENEOSソーラーは事業化延期
  • 組み込みソフト:80年代生まれのプロセス代数「CSP」,マルチコア化の時代に再び脚光か
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電子書籍

編集長から

 いきなりですが,質問です。次世代の高速移動通信規格である「LTE」。このLTEは何の略でしょうか――。答えは「long term evolution」です。実はこの名称,仕様策定中に暫定的に付けられた呼び名が,そのまま正式名になったものです。long term evolutionをそのまま直訳すれば「長期的な進化/発展」といった感じになります。もし字面だけで判断すると,何を意味する言葉なのかよく分かりませんが,個人的には,何か壮大なイメージを抱きます。

 NTTドコモは2010年12月に開始するLTEのサービス・ブランドを「Xi(クロッシィ)」と名付けました。Xは「人,物,情報のつながり」や「無限の可能性」,iは「イノベーション」や「私」を意味するそうです。さまざまな人や物,情報が有機的につながり,新たなイノベーションを引き起こしていくことを表現したと言います。いずれにせよ,LTEの実現によって何か大きな変化が起きそうな気がしませんか。

 実際,LTE市場は高い成長が期待されており,携帯電話事業者や端末メーカーのみならず,パソコン関連機器や家電,自動車,産業機器といったメーカーも関心を持っています。既に動きが活発化している分野もあり,特にLTE端末のコアとなる,通信制御回路部やRF回路部の各要素部品を手掛ける企業,すなわち「携帯端末のハードウエア・プラットフォーム」企業間での競争が激しくなりそうです。最新号の特集「LTEで始まるハードな戦い~次世代端末プラットフォームを奪え~」では,こうした動向を追いました。

 このほか最新号では,iPadの競合品となるAndroid搭載タブレット端末の実態についてまとめた解説「分解で探る「iPadモドキ」の将来性」,熱や振動,光,電磁波など身の回りの小さなエネルギーを“収穫”して活用するエネルギー・ハーべスティングに関する解説「エネルギー・ハーベスティングで「ローパワー」から「ノーパワー」へ」なども掲載しております。ぜひご一読いただければ幸いです。

日経エレクトロニクス編集長  田野倉 保雄

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