製品情報の共有と有効活用によって、製品開発のコスト削減や期間短縮などを実現するとされるPLM(Product Lifecycle Management)システム。グローバル競争を勝ち抜くのに必要といわれて久しいが、いまだその認知度は低い。

 PLMに対する認識に関しては、「意味を知っており、具体的イメージもある」のは28.4%にとどまり、「PLMの意味は知っているが、具体的なイメージがない」が35.0%、「PLMという言葉は聞いたことがあるが、どんなものかは知らない」が20.6%と、過半数は具体的にPLMというものをイメージできていない(Q1)。そもそも「PLMという言葉を知らない」との回答も14.0%あった。

 この回答の分布は、2005年から毎年実施している過去5回の同種の調査結果と大きく変わっていない。例年、「具体的イメージがある」のは全体の3割前後で、6割以上は「具体的イメージがない」か「どんなものか知らない」、もしくは「言葉そのものを知らない」という傾向にあるのだ。PLMの必要性が声高に叫ばれている割には、設計や製造の現場にはその概念が浸透しておらず、停滞感が漂っているとさえいえる。

〔以下、日経ものづくり2010年9月号に掲載〕

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