燃費向上が自動車産業の大きな課題となる中で、今回の「人とくるまのテクノロジー展」(図)でも、この課題に対応する技術が最大のテーマとなった。大きな流れとなっているEV/HEV(電気自動車/ハイブリッド車)関連技術の出展はもちろん、既存のエンジンの改良や、材料・加工技術により軽量化する技術の展示も目立った。

図 会場の様子
マツダは発売前の新型「プレマシー」を展示していた。

 パワートレーンの電動化が大きな技術トレンドとなるなかで、エンジンはどう進化すべきか。その例を欧州のエンジニアリングメーカー2社が展示した。
 エイヴィエル ジャパンはロータリエンジンを使ったレンジエクステンダ「AVL Pure Range Extender」を出展した。リアアクスルの後ろに発電機と一体で搭載するもので出力は15kW(20PS)。電池のみの走行に比べて、航続距離を200km伸ばすことができる。レンジエクステンダに1ロータのロータリエンジンを採用した理由は回転の滑らかさと小型化に有利なこと。「静粛性の高いEVでレンジエクステンダが作動したとたんにうるさくなるのでは商品性が下がる」(同社)。
 ロータリエンジンは燃費が悪いというイメージがあるが、レンジエクステンダでは一定の条件で作動させるため、レシプロエンジンに対して、それほどそん色はないとしている。複数の自動車メーカーがこのレンジエクステンダに興味を示しているという。

以下、『日経Automotive Technology』2010年9月号に掲載