プジョー・シトロエン・ジャポンは、フランスPeugeot社としては初めてのクロスオーバー車「3008」を発売した。コンパクトカー「308」のプラットフォームをベースに車両サイズを大きくした。新たに、車両の安定性と乗り心地を両立させる機構や、軽衝突時の衝撃を吸収する機構などを搭載した。

 パワートレーンは、排気量1.6Lの直列4気筒・直噴ガソリンターボエンジンに、アイシン・エィ・ダブリュ製の新型6速AT(自動変速機)を組み合わせる。この6速ATは、組み合わせるエンジンのトルクが200~300N・mを想定したもの。
 「407」シリーズで採用している従来の6速ATは、新型と同じくアイシンAW製で、対応するエンジンの排気量は3.0L、トルクは最高460N・m程度を想定していた。今回、一回り小型の6速ATを3008に搭載したことで、今後は排気量1.3Lのエンジンを搭載する「207」にも6速ATの採用が期待できそうだ。
 新型6速ATの質量は、従来の407向けの96kgから81kgに15kg軽量化した。軸長は、従来の349mmに対して348mmとほとんど変わりないが、径方向の大きさは544mmから505mmと約7%小型化している。小型・軽量化は、トルクコンバータの低トルク化などが寄与した。
 車両寸法は308をベースに大型化した。3008は全長4365×全幅1835×全高1635mmで、ホイールベースは2615mm。308よりも全長は75mm、全幅は15mm、全高は120mm、ホイールベースは5mm、それぞれ増えた。プラットフォームは308と共有しており、サスペンション形式も同じ(図)。前はストラット式で後ろはトーションビーム式である。

以下、『日経Automotive Technology』2010年9月号に掲載
図 プラットフォームは「308」を流用
ベース車の「308」に比べて、重心は高くなっている。乗り心地を確保するために「ダイナミックロールコントロール」機能を備えた。後ろ左右のダンパの油圧配管をセンターモジュールでつなぐ。