ドイツBMW社は2010年夏に日本に導入する「7シリーズ」のハイブリッド車「ActiveHybrid 7 L」を公開した(図)。同モデルはベース車に比べて10・15モードの燃費を41 %向上している。それでいてスタートから100km/hまでの加速はスポーツ車「M3」と同等の4.9秒を実現した。

 BMW社のハイブリッド車ラインアップは現在、Ni-MH(ニッケル・水素)2次電池を搭載した2モータ方式の「ActiveHybrid X6」と、Liイオン2次電池を使って1モータ方式のマイルドハイブリッド車としたActiveHybrid 7 Lの2車種。米国ではすでにX6を発売しているが、日本ではActive Hybrid 7 Lの導入が先行する。なお、X6も2010年内に導入する予定。こちらは速度60km/hまで電気自動車(EV)走行ができる。
 ActiveHybrid 7 LはドイツDaimler社の「Sクラス HYBRID」とモータやLiイオン2次電池など基本的な部品を共用化している。回生・アシストに使う出力15kWのモータ、円筒形セルを使った電池パックなどである。
 しかし、組み合わせるエンジンについての考え方はDaimler社と異なる。Daimler社はアトキンソンサイクルを採用した排気量3.5LのV型6気筒エンジン、同社内製の7速自動変速機(AT)と組み合わせ、エンジン排気量をベース車より減らした燃費志向のハイブリッド車とした。一方、BMW社ではベース車の「750Li」と同じ排気量4.4LのV型8気筒ツインターボエンジンを用い、これに8速ATを組み合わせ、動力性能を重視した。

以下、『日経Automotive Technology』2010年9月号に掲載
図 ドイツBMW社の「ActiveHybrid 7 L」
車両寸法は全長5210×全幅1900×全高1485mm、ホイールベースは3210mm。