ソニーがデジタル・カメラで攻勢

 ソニーが,国内のデジタル・カメラ事業で攻勢を強めている。2010年7月に開いたコンパクト型デジタル・カメラの新製品発表会。ソニーマーケティングでカメラ関連の販売を統括する下野裕氏(コンスーマーAVマーケティング部門 デジタルイメージングマーケティング部 統括部長)は「コンパクト機の国内市場シェアで20%を目指す」と,トップ・シェアを奪い取る意気込みを見せた。

 強気な言葉の裏には,自社製品に抱く自信がある。コンパクト機の国内市場が縮小する中,この半年ほどで市場シェアを着実に伸ばし,2位をうかがう位置に付けた。2010年6月に発売したミラーレス型のレンズ交換式カメラ「NEX─5/3」も好調。調査会社のBCNによれば,レンズ交換機でのソニーの販売台数シェアは,同月に19.4%。発売前に比べて約13ポイント増と存在感を高めた。発売直後の特需という側面もあるが,「しばらく好調は続く」との見方が強い。

光学系などを変えずに3D

 ソニーがこの1年ほどの間に発売したカメラに共通するのは,ユーザーに分かりやすい機能を搭載したことである。2009年には,暗所での手ブレ抑制を見込める高感度の裏面照射(BSI)型CMOSイメージ・センサや,いわゆるフルHD動画(1920×1080画素)の撮影機能などを他社に先駆けてコンパクト機に導入した。

 これらに続き,今回ソニーが新機種に投入したのは「3次元(3D)写真」である。

『日経エレクトロニクス』2010年7月26日号より一部掲載

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