エルピーダメモリのTSV製造ライン

 チップ同士を3次元的に接続するTSV(Si貫通電極)の市場が,一気に立ち上がる可能性が出てきた。これまでは画像センサなどの一部の用途に限られていたが,TSVを使った大容量DRAMの量産が早ければ2010年内にも始まる見通しとなった。

 さらに,2012年前後にはTSVによるメモリと論理LSIの多点接続も始まる可能性が高まった。これにはメモリ・メーカーと論理LSI関連メーカーの協業が欠かせないが,ここへ来て具体的な提携の動きが出始めたからだ。エルピーダメモリ,ファウンドリー企業の台湾United Microelectronics Corp.(UMC),半導体後工程を請け負う台湾Powertech Technology Inc.(PTI)の3社は,28nm世代を含む先端技術向けのTSVに関して提携すると発表した。エルピーダメモリのDRAM向けTSV技術を核に,論理LSIの顧客基盤を持つUMCのSiファウンドリー技術と,PTIの低コスト後工程技術を持ち寄る。

 台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.(TSMC)も20nm世代からTSVに対応することを明らかにしており,今後,メモリと論理LSIのTSV接続が本格的に導入される可能性が高い。

『日経エレクトロニクス』2010年7月12日号より一部掲載

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