質量を23%増に抑制

 車輪のホイール内にモータを内蔵するインホイール・モータ(IWM)。2010年5月19~21日に開催された「自動車技術会 2010春季大会」と「人とくるまのテクノロジー展 2010」では,IWMの実用化を目指した発表や展示が相次いだ。

 IWMを使えば,駆動力の伝達機構などをなくせるため,駆動効率の向上や車室内のスペース拡大が見込める。その上,各車輪を独立に制御可能で,車両の制御性も上がる。「電気自動車(EV)の究極」といわれる。

 IWMの実用化に向けた課題は多い。ばね下質量の増加に伴う乗り心地の悪化や,モータの追加によって通常の車両とは設計要件が大きく変わる搭載性の悪化,信頼性や安全性の確立など山積みだ。今回は,質量増を抑えるための軽量化や搭載性の改善といった課題の解決に向けた発表や出展があった。

サス形式を変えずに搭載

 トヨタ自動車は,軽量化と搭載性の向上を両立したIWMを試作し,自動車技術会で2件発表した。

『日経エレクトロニクス』2010年5月31日号より一部掲載

5月31日号を1部買う