ビー・エム・ダブリューは、寸法を大きくしながら燃費を向上させた新型「5シリーズ」を発売した。全長4910×全幅1860×全高1475mmでホイールベースは2970mm。先代と比べて、全長を約40mm、全幅を15mm、ホイールベースを約80mm伸ばした。出力は最大19%向上、燃費は12~40%向上した。

 車体は「7シリーズのプラットフォームをベースとした」(マーケティング・ディビジョン本部長の丸山英樹氏)ことからも分かるように鋼製。先代が採用していた、Aピラーから前をすべてアルミニウム(Al)合金製とした構造は一代限りになった。その代わりエンジンフード、前フェンダー、ドアなど“フタもの”をアルミ製とした。ドアの質量は4枚で23kg減ったという。それでも全体の質量は車両重量が先代の1620~1810kgから1770~1960kgに増えた。寸法や装備も違うのだが、増えた理由の一つは、この車体構造にありそうだ。
 エンジンは「528i」が直列6気筒の3.0L自然吸気、「535i」がやはり直列6気筒の3.0Lをツインスクロールのターボチャージャで過給したもの、「550i」はV型8気筒を各バンク1個ずつのターボチャージャで過給したものだ(図)。

以下,『日経Automotive Technology』2010年7月号に掲載
図 6気筒の過給エンジン
ストラット上端を受ける部分は“例外的”にアルミニウム合金のダイカスト品。