ホンダは業務用の電動2輪車「EVneo」を日本国内で2010年12月よりリース販売すると発表し、試作車を公開した。価格は未発表だが、業務用として3年間リースで使った場合、リース料と電気料金の合計が、ガソリン車におけるリース料と燃料代の合計と同じになることを目指す。

 同社は1994年にスクータータイプの電動2輪車「CUV ES」を200台限定で発売している。当時は2次電池にNi-Cd(ニッケル・カドミウム)2次電池を採用しており、航続距離は61kmと長いものの、急速充電ができず満充電に8時間もかかっていた。今回はLiイオン2次電池を搭載し、急速充電に対応させた。航続距離は速度30km/hにおける定地走行で30km以上。CUV ESに比べて短いが、電池容量を少なくして車両質量を軽くし、航続距離が短くなる分は急速充電で補うことをコンセプトとした。
 ホンダはジーエス・ユアサ コーポレーションと、Liイオン2次電池の開発・製造の合弁会社を設立しているが、車両コンセプトへの適合性、電池の量産体制を考慮して今回の電池には東芝製Liイオン2次電池「SCiB」を選定した。負極材をチタン酸リチウムとし、一般のLiイオン2次電池より電圧は低いが、急速充電が可能で耐久性が高い点が採用理由となった。電池は足元に搭載するが、容量は未発表(図)。

以下,『日経Automotive Technology』2010年7月号に掲載
図 電池は足元、モータは後輪左に搭載
Liイオン2次電池の容量は明かしていないが1kWh超と見られる。モータの回転を1段減速して車輪を駆動する。