4月20日から22日にかけて、UDトラックス、日野自動車、三菱ふそうトラック・バスの3社が、相次いで平成21年排出ガス規制(ポスト新長期規制)に適合したトラックを発売、または発表した(図)。いすゞ自動車も5月には発表する。

 ポスト新長期規制は、新型車では2009年10月から適用が始まっており、規制値は世界最高の水準である。大型車の場合、以前の規制値に対して粒子状物質(PM)を63%以上、窒素酸化物(NOx)を65%以上減らす必要がある。2009年10月以前から継続して生産している車種については規制が猶予されていたが、車体総重量12t以上は2010年9月、12t未満は2011年6月から完全実施を要求される。
 今回の発表により、排気量11Lを超えるエンジンは尿素SCR(選択触媒還元)を使うという各社の方針が明らかになった。尿素SCRの採用は2004年にUD(当時は日産ディーゼル工業)が先行し、日野、いすゞは不採用、三菱ふそう(当時は三菱自動車工業)は日産ディーゼル工業から技術導入と、各社の姿勢が分かれていた。その後、規制強化によって、尿素SCRに一本化したことになる。
 一方、排気量6~8Lのエンジンについては、日野は尿素SCRを使わないタイプ、UDは尿素SCRを使うタイプを発表し、まだ判断が分かれている。

以下,『日経Automotive Technology』2010年7月号に掲載
図 三菱ふそうトラック・バスの大型トラック「スーパーグレート」