住友大阪セメントは,Liイオン2次電池の正極材料であるリン酸鉄リチウム(Li FePO4)の本格的な供給を開始した。供給先は,慶応義塾大学発のベンチャーであるエリーパワーだ。同社は2010年4月に神奈川県川崎市に定置用大型Liイオン2次電池の生産工場を竣工し,年間20万セル体制で量産を開始している。量産するセルは,電流容量が約50Ahで平均放電電圧が3.2Vである。
LiFePO4は,熱安定性に優れることから安全性が高く,大型電池の正極材料として中国や米国では車載用途を含めて採用事例が急増している。特に中国では主流の材料になりつつある状況である。
ここへきて日本のメーカーも,ソニーが2009年6月から電動工具などに向けて円筒型セルの量産を開始し,エリーパワーがそれに続くなど,取り組みを活発化させている。