「2009年度のテレビ事業は黒字を達成。世界の出荷台数では目標の1000万台に載せた」。東芝 ビジュアルプロダクツ社 映像マーケティング事業部の事業部長を務める村沢圧司氏は,2010年4月に開いた液晶テレビの新製品発表会で胸を張った。他の国内テレビ・メーカーが収益で苦戦する中,5半期連続の黒字達成だ。
牽引したのは,エコポイント特需に沸く国内市場。調査会社のジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfKジャパン)によれば,2009年の液晶テレビ販売台数で,東芝は前年に比べ5ポイント増の19%と,パナソニックやソニーを抑えて2位に浮上した。2010年3月までの1年間は,PDPテレビを含めた薄型テレビ全体でも2位を確保したようだ。
特に,制度変更に伴うエコポイントの駆け込み需要があった2010年3月の単月では,東芝の販売台数は前年同月比で4倍以上に伸びたという。「3月は液晶テレビの販売台数シェアで約3割を確保した」(村沢氏)ほどだ。