トヨタ自動車とダイハツ工業は、新型「パッソ/ブーン」を発売した(図)。女性にターゲットを絞って開発したクルマだ。先代と同様に軽自動車ベースのプラットフォームを採用してコストを抑えたほか全車にCVT(無段変速機)を搭載して燃費性能を高めた。

 新型パッソ/ブーンは、両社が共同開発したもので、トヨタはパッソ、ダイハツはブーンの名称で販売する。トヨタが企画・デザイン、ダイハツが設計・評価・生産を担当した。月間販売目標はパッソが6500台、ブーンが800台。いずれもダイハツの池田工場で生産する。価格は装備の違いで、パッソが100万円から、ブーンが110万円からである。
 開発に当たり、顧客層は女性に絞った。トヨタの調べでは、小さいクルマのユーザーのうち女性が占める比率は「ヴィッツ」など小型車で56%、軽自動車では67%と開きがある。一方、先代パッソは小型車でありながら女性ユーザーが65%と軽自動車並みであることが分かった。
 先代のコンセプトを企画したときも、主に女性を想定していたが、欲張って男性も取り込めるようなデザインにしていた。「先代は結果として女性が多かったので、今回は最初から女性に絞って企画した」(トヨタ自動車製品企画主幹の加納昇氏)。開発時は、トヨタやダイハツの女性スタッフが参加して、車両のデザインや操作性の評価に協力した。

以下,『日経Automotive Technology』2010年5月号に掲載
図 リアビュー
全長3640×全幅1665×全高1535mmで、ホイールベースは2440mm。全長が45mm伸びた以外は先代と同じ。