LED(発光ダイオード)ヘッドランプを使う車種が増えてきた。トヨタ自動車が2007年5月発売の「レクサスLS600 h」に採用したのを皮切りに、ハイブリッド車への採用を拡大しているほか、三菱自動車も電気自動車への採用に踏み切った。今後、コスト削減とLED1素子あたりの輝度向上によって、2014年以降に、本格的な普及が始まりそうだ。
2010年1月に開催されたデトロイトモーターショー。会場で異彩を放っていた車種の一つが、このショーで初めて一般公開されたドイツAudi社の最高級車である新型「A8」(扉写真参照)だ。同社のスポーツカー「R8」に続き、ロービーム、ハイビームを含むすべての光源をLED化したフルLEDヘッドランプをオプション設定した。
これまでもAudi社は、DRL(DaytimeRunning Light:昼間点灯ランプ)にLEDを積極的に展開、個性的なフロント周りのデザインを作り出すのに活用してきた(p.67の別掲記事参照)。新型A8ではこのデザインモチーフをヘッドランプそのものにも展開、フロント周りに強い印象を与えることに成功している。
ヘッドランプへの展開という点で、積極的な姿勢を見せているのが、「レクサスLS600h」のロービームで、2007年に世界初のLEDヘッドランプを実用化したトヨタ自動車だ。LS600h以降も、2009年1月に「レクサスRX450h」、2009年5月に新型「プリウス」、2009年7月に「レクサスHS250h」と、LEDヘッドランプの採用を広げている(図)。
トヨタ以外の国内メーカーでは、三菱自動車が2009年7月に国内で発売した電気自動車(EV)「i-MiEV」に、同社としては初めてロービームをLED化したヘッドランプを採用した。