東芝が販売する住宅用太陽電池システム

 「高い変換効率と電極のない外観で,隣の人と違うという優越感を感じてもらえるだろう」(東芝)。2009年1月に「太陽光発電システム事業推進統括部」を新設して産業用太陽電池システムの販売に力を入れてきた東芝が,2010年4月から国内の住宅用システムへ参入することを決めた。

 東芝が販売する住宅用システムの特徴は,変換効率が高い米SunPower Corp.の単結晶Si型太陽電池モジュールを調達して用いる点。SunPower社のモジュールは,電極を背面のみに設置する「バック・コンタクト」構造を採用し,受光面積を増やして他社製品よりも変換効率を高めている。東芝はまず,モジュール変換効率が16.9%の製品を国内に導入する。

 これまで国内では,三洋電機の「HIT(heterojunction with intrinsic thin-layer)」が高効率太陽電池の代名詞的な存在だった。同社は単結晶Si型セルの両面に薄膜Si層を形成する構造で,モジュール変換効率を17.0%に引き上げている。国内の住宅用で三洋電機はシャープに次ぐ2位であり,2012年度にトップを目指している。東芝はまず,三洋電機に真っ向から勝負を挑み,2015年度に国内住宅用で20%のシェア獲得を狙う。

『日経エレクトロニクス』2010年3月22日号より一部掲載

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